オランダの道路・交通事情と人々の生活(2)2006年10月11日 17時31分23秒

オランダの自動車道
 オランダの町中では、ぶっ飛ばしている車を見ることは殆ど無い。それどころか、おとなしくマナーが良い車が多い。歩行者はけっこう横断歩道以外でも渡っている。車はクラクションを鳴らすでもなく、スピードを落とす。だから、横断歩道を渡りかけている人がいると、問題なくすっと止まる。日本のように、横断者の脇を「プー」と鳴らしながら、脇を走り抜けることはない。日本では、横断歩道はあって無いに等しい。「先進国」では日本は悪い方だ。

 また、「この国は自転車が多い」と前に書いたが、その自転車もマナーが良い。おばさんといえる中年女性が、右左折するときにちゃんと律儀に手信号をしている。女学生も同様だ。日本では、学校の「交通安全」の時間には、全員がきちんと手信号はするが、ふつうの道路でしている生徒を見ることはまれである。いわんや、大人においておや-である。しかし、この国の自転車乗りはすごい。公式の「自転車専用道」が、ほとんどの道にもあるのもすごいが・・。

 また、オランダを車で走ると、道路整備がすばらしいことがよく分かる。中世からあるような歴史のある町の旧市街は、ほとんどが石畳で雨の日は滑りやすく、また道幅が極端に狭い。だから、一方通行が多く、「目的の教会は遠くから見えているのに、なかなか近づけない」-というようなもどかしさがある。この事情はベルギー、ルクセンブルグでも似たようなものだ。

 しかしいったんアムステルダムの環状道路や郊外にでると、幹線は最低でも片側二車線、大都市近郊では5車線はある。土地が狭いはずのこの国で、道路占有部分のスペースにゆとりがある。さらに自動車道の出入り口などアクセス部分はスムーズで、道路標識も完備している。

 ただ問題は、日本のように、標識が「英語併記」でないことが多いので、意味不明なのが外国人には不便である。これは改善の要があるだろう。またこの国は基本的には「有料道路」がない。ドイツのアウトバーンと同じで、「社会資本」の充実がすばらしい。それ比べて、日本の道路は優良でしかも高い。

 このように、道路環境が充実したこの国であるが、いったん「自動車道」に出たドライヴァーたちのマナーは非常に悪い。120kmの道で、半数以上は140~160km位は出している。流れが極端に速い。また日本と同様、車線変更ではウィンカーは出さない。まだこれは良い方だ。車線を変えるとき、後ろから来ている車の直前にウィンカーなしで割り込む。私が100km以上で追い越し車線を走っていたとき、目の前に急に車が割り込んだ。危険なのでパッシングライトをつけたら、いきなり急ブレーキを踏んだ。追突しそうなので、私も急ブレーキを踏んだ。何とか回避できた。どうもわざとやったらしい。後で追い越しざまに見ると、案の定若い男だった。

 また片側5車線ある高速道路で、いちばん左端からウィンカーを出さずに、一直線に斜めに45度で右端の車線まで突っ切った車を、何回も見た。目の前でそれをやられると、びっくりする。全体的には運転のうまい車が多いのだが、「運転は荒い」といわざるを得ない。日本でもそういう車はたまにいるが、大体いかにも「あぶないくるま・あぶないひと」のことが多い。オランダ人は「自動車専用道」に出ると、「人格が変わる」感じがする。日本同様、国が狭く人口密度が高いから、ストレスの発散を運転で晴らすのだろうか?それとも他に原因が・・?

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