危ないカナダ製ボンバルディア機、またまた車輪トラブル、今度は胴体着陸!2007年03月13日 12時08分00秒

オーストリア航空傘下チロリアン航空の同型機ダッシュ8-400
今朝、大阪伊丹発の全日空系エアセントラル社のANA1603便(ボンバルディアDHC8―Q400型機)で高知・龍馬空港に着陸前に前輪が出ないというアクシデントが起こった

リンク:DHC-8 (航空機) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/DHC-8_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)

機は「タッチアンドゴー」で前輪を出そうとしたが失敗、上空を旋回しながら燃料を消費したりを空中に捨てたりしながら、二時間以上経ってから後二輪だけで着陸した 機は前部をこすって火花を出したが火事にはならず停止した 乗員乗客60人は全員無事だった 着陸時は一斉に拍手が起こったという この様子は早くからリアルタイムでテレビ中継されたので、ご存じの方も多いだろう

それにしてもこのカナダ製ボンバルディア機、故障が多いので有名だ 世界中でも使われて故障が数多く報告されているが、日本だけ見ても平成15年に導入されてからの故障は42件、車輪だけでも12件あるという 

このボンバルディアという名前はそんなに知られてはいないが、全日空のローカル線ではよく使われている 以前は「戦後ただ一つの国産機」YS11がその仕事をしていたが、老朽化に伴ってカナダ製のボンバルディアに取って代わられた 

既述のごとくトラブルの多い機であるから、全日空の整備点検が手抜きだった訳ではないだろう 問題は同じ故障をすぐに改善せず結果的にほっておいたボ社の姿勢であるし、ボ社に「改善要請」だけという手ぬるい対応の国交省も責任の一端はあるだろう

それにしても「全員が無事」というのが「不幸中の幸運」であろうか 乗員の乗客に対する落ち着いた態度と36歳という若いパイロットの「訓練通り」の冷静な操縦は称賛に値する パイロットはアナウンスで「日頃から訓練していますから大丈夫です」という意味のことを落ち着いた声で言ってから「作業」に入ったらしい おかげでパニックもなかった 本当の危機に面したときにこそ航空乗務員の真の力量が試される

このニュースを見ているときに、先日のJ社のニュースを思い出した 四十代のパイロットがお茶を持ってきた28歳のCA(キャビンアテンダント:昔のステュワーデス)を自分の席に座らせてから操縦桿を握らせ、「記念写真」を撮ったという それがマスコミに報道されたが、いくら「自動操縦中」とはいえ、そういうたるみきった姿勢は、「一事が万事」といえるかもしれない

さてすでに書いたように、この機は地方空港と大都市間の路線に使われている 「日に一便」という小さな空港の発着も多い そういう所では「他社便に乗る」と言う選択肢もない 仮にあっても、対抗J社の便も同型機だったりする JRも高速バスもない離島なら尚更不安が広がるだろう この際徹底点検をして欲しいものである

話は戻る 大変な金も掛かるが全日空もそろそろ機体を変えたらどうだろうか?どうも製造時に問題がありそうなので、これからもこの種のアクシデントはつづくだろう それにしてもYS11がない現在、他にこのクラスの機種・対抗馬がないというのも不安だ

今は専門家はパイロットの冷静さ・操縦を評価しているし、乗客は誰もANAを非難はしていないが、今後こういうことが続くと信頼信用も落ちてくる 現在これだけ業績が順調な全日空だから、早く手を打った方がよいのではないだろうか

参考:ページトップの写真:オーストリア航空傘下チロリアン航空の同型機ダッシュ8-400

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