ヘルムート・ヴィンシャーマンのバッハ演奏2008年12月05日 23時40分34秒

 親HPをすでにご覧の方は私がクラシック音楽ファンということはご存じだろう 新採用数年後に聞いたヴィンシャーマン指揮のドイッチェ・バッハ・ゾリステンの大ファンになってウン十年、何十回いや何百回彼のCDやテープを聴いたことか

 そしてそれから「幾星霜」! 最近になってヴィンシャーマン指揮で岡山フィルの定演があるということが分かった 本来彼はオーボエが専門である 私が今まで聞いた演奏家、例えばピアノのアシュケナージはその分野で第一級であるが、それでも指揮者になってからすでに久しい 同じピアニストのバレンボイムも指揮者に転向してからが長かった

 やはり自分の楽器で一生引ききるよりも、オケ指揮者という「一国一城」の主の方が芸術の表現という自己実現が果たされると思うのであろうか ヴィンシャーマンもやはり指揮者になって長かった 日本人の著名オーボエ奏者をはじめとして多くの音楽人を育て上げた

 彼の音楽は聴いていて楽しいし、私のような「ド素人」にもわかる音楽を作るのだ どこかの誰かでもなく、しかめ面しい威張ったバッハではない 庶民の中に生きるバッハである

 だからいくら地元ローカルのオケであっても、久しぶりに彼の音楽を聴いてみたかった 本当は彼のオーボエが聴きたかったが、仕方がない 彼は数年後に90歳、最後になるかもしれない(失礼)姿も目に焼き付けて置きたかった

 案の定、彼の指揮はわかりやすかった もともとは専門でない指揮だから、例えばインテリの外国人(第二言語)が話す英語のように「節目正しいきれいな英語」のようであった

 さらに自分の育て上げたバッハ・ゾリステンではなく、クラシック音楽とは元々縁がない外国・アジアのほとんどなじみのないオケである

 さらにオケメンバーは世界のメジャーオケのようにヴェテラン団員ではなく、若い楽団員が多い若いオケである 孫のような演奏家に対しては、慈しむような視線・態度で指揮をしていた とにかく観客にも分かる指揮で、なおかつ演奏家が間違いようのない指揮で、何かを世界の若者たちに伝えたかったと思わせた

 合唱のつく教会カンタータなどもあったが、私には聞き慣れた管弦楽組曲第三番が特に心に残った もう最後かもしれないが、私にはたぶん一生覚えている音楽だろう 音楽とともに彼の人柄はずっと語り続けられる 長生きして欲しい人である

アメリカン・ロッキーのスキー場2008年12月15日 06時04分55秒

アメリカ・ヴェイルスキー場
 アメリカン・ロッキーのスキー場に行ってきた 「ロッキー山脈」といえば、小学校の授業にも出てくるような有名な山脈である そのカナダ側には結構スキーに行っていたのだが、アメリカ側には行ったことはなかった

 その理由の最大のものは「コストの高さ」である まずアコモデーション(ホテル)、次がリフト券、さらに物価の高さである 航空機も必ずと言っていいほど「乗り継ぎ」がある 冬季オリンピックが予定されるカナダのウィスラーはヴァンクーヴァーからももっと近い

 それでも行って来たのは、いつも利用する旅行代理店が「シーズン初めのリピーターサーヴィス」として格安とも言える料金を設定したことと、話の種として一度はアメリカで滑りたかったからだ

 サンフランシスコで国内線にに乗り継ぎ、デンヴァーから3時間車で移動すると、ヴェイルというスキー場に着く 面積北米最大はカナダのウィスラー・ブラックコム、ここは北米最大の集客数と近くに北米最高点3800mのコースを持つブレッケンリッジ・スキー場があるという特徴を持つ

 結論としては、3000-3500mという日本ではあり得ないかなり変化にとんだ多くのコースは十分過ぎるくらい楽しめた ただ「高級レゾート」らしく、安いレストランや総菜を売るスーパーがないことで、私のような「貧乏人」や学生、フリーターには合わない感じである それでも「ここは一回だけ」という私にとっては思い出に残るスキー場となった
 
内部リンク:アメリカ・ヴェイルスキー場
http://konotabi.com/photoalbum/2008USAVailski/top.htm

あ~、ユナイテッド・エアライン! あ~合衆国!2008年12月17日 15時14分15秒

ユナイテッド航空の質素な機内食
 すでに親HPでもこのブログでも書いたが、アメリカン・ロッキーのスキー場で滑ってきた 当然のように、航空機は米国「ユナイテッド航空」であった この会社、数年前に「倒産」し今も「会社更生法」による再建途上であるはずだ だから食事も機内サーヴィスも最初から期待はしていなかった 

 私がおおむかし、仕事でアフリカにいた頃、たまの休みでドイツに行ったことがあった その時、フランクフルト-西ベルリン間は当時アメリカの「キャリア・フラッグ」のパンアメリカン航空であった その会社も後に倒産した

 世界を代表する翼であったパンアメリカンも倒産し、世界の翼のナンバーワンを続けたボーイング社も、今はストライキなどで納期が大幅に遅れ、航空会社から訴訟をされかかっている サブプライム問題などでアメリカ発信の「第二回世界恐慌」も「絶頂期」だ ここまでくると、戦後世界をリードし続けた「世界の指導者・警察官アメリカ」の没落がはっきり見えてくる

 話を戻そう 出発まえに驚いたことがあった 旅行代理店から連絡が来た 「エコノミークラスではアルコールサーヴィスは出ません 機内でビールなどは6ドルで購入してください・・」 そんなばかな!! 私は今まで百回以上世界の航空機に乗ったが、一度も機内で酒を「買った」ことはない

 サウジなどイスラム諸国の航空機なら、宗教上の理由から酒のサーヴィスがないということは聞いたことがある それでもわたしが住んでいたイスラム国・アルジェリア航空では酒は出た なのに、なぜ酒が有料なのか!? ファースト・ビジネスクラスでは酒は無料ででるという

 そこで関空でウィスキーのポケット瓶を購入し、機内で密かに飲んでいた そうしたらパーサーが来て、取り上げていった また降りるときに返してくれた 癪だから機内の酒は買わなかった 「連邦法の規定・・」だという その法は知らないが、なぜ飲める人間と飲めない人間が出てしまうのか?! 明らかに「法の下の平等」ではない!

 ここまで見てくると、「ユナイテッドUAだから酒が出ない」のではなく、「アメリカ国籍の航空機のエコノミーだけが酒が有料」ということが分かるのだ まったく不愉快そのものだ まことに「貧富の差の国アメリカ」らしい 空港での検査も狂気じみている しかしここでは触れない 

 またスキーに行ったのに、スキーセットが一日遅れで到着するという不始末や帰国の時UAの係りが他人名義の搭乗券を私に呉れるなどの不始末もあった ここでは「貧すれば鈍する」という諺も必要ない
でもスキーは楽しかった!

ますます厳しくなるアメリカ入国2008年12月24日 17時39分24秒

 前回、アメリカ国籍航空機内での「エコノミークラスのみのアルコール類有料化」の不合理性について書いた

 今回はそのときの「入国審査」について書いてみる 
私たちの入国はサンフランシスコ(SFO)だが、目的地はデンヴァー(DEN)であった 従ってSFOで入国し、後は国内線乗り換えということになる

 どの国でも同じだが、降機後は空港内建物を大きく移動してから「イミグレイション(入国審査)」にむかう 普通は外国人と国籍保持者と外交官・航空機アテンダント等に大きく別れている 

 当然私たちは「外国人カウンター」の前に並ぶ しかし列整理のオフィサーが空いている「米国籍」カウンターを指示した そこで私は「まあいいか」と並び、呼ばれるとパスポートと入国カードをもって係官の前に立った

 彼は日本国パスポートを出した私に怪訝そうにこう言った
  「ここはアメリカ人専用カウンターだが知っているのか?」
私 「知っている あそこのオフィサーがここに並べといったんだ」
係 「フム この旅の目的は?目的地はどこか?」
私 「スキーだけだ デンヴァー経由でヴェイルだ」
係 「職業は何か?」
私 「リタイアしている」
係 「金は持っているか?」
私 「それはキャッシュという意味か?およそ200ドル 残りはT/Cだ」
係 「帰りの航空券は持っているか?見せろ」
私は電子航空券を見せた 彼は丁寧にそれをチェックした
係 「これから写真と指紋を採る 顔をこちらに向けてここを見ろ <パシャ> 指を二本指紋を採るので、まず親指をここに入れろ 次に人差し指を入れろ 動くな! 今のはうまく写ってないからもう一度だ・・」
私 「これは初めてだから慣れていない」
係 「おそらく最初で最後だろう」

 そう言いながら彼はパスポートを返してくれた ほとんど笑顔はなかった 「観光者」を「出稼ぎ入国者」のような感じで扱われ、楽しくはなかった その点、隣国カナダのオフィサーは、笑顔で丁寧ななおかつユーモアのこもった物言いをする

 閑話休題、あと20日ほどでこの国はもっと厳しい面倒くさい入国手続きを外国人に課すことが決まっている 「ESTA」(エスタ)という 実施開始は2009年1月12日からで、それまでに(出国前)コンピューターから米国のESTA公式サイトにアクセスし、いろいろ情報を入力し、「許可」をもらわなければならない これがないと米国には入国できない ネットをしない者には、JTBなど旅行代理店に4000~6000位払って代行してもらう

 あの「9/11」事件以来、この国は「ヒステリックなキリスト教原理主義」になって、「敵か味方か」という単純な論理で行動し続けてきた その結果、ますます多くの国の国民が「アンチ・アメリカ」になってしまった 今回のエスタも「非敵性国民と敵性国民(テロリスト等)」を選別する目的を持つのであろう まるで「ハリネズミ」のようである

 しかしそれだけやっても水は漏れるかもしれない 諸問題の根元は「世界の貧富の差」にある アメリカは「北風」よりも「太陽」にならなければ、問題は解決しないかもしれない

参考:外務省「渡航関連情報」に詳細
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/us_esta.html