惹きつけられる切り幡寺の大塔2010年11月10日 11時04分28秒

四国霊場・切幡寺の大塔
 この写真は四国霊場八十八カ所第十番札所、切幡寺にある大塔である 遠くから見ると多宝塔や三重の塔にも見えるが、実は二層の塔であり基底部が大変大きいという珍しい塔なのである そのため国重文となっている

 その由来がまた特徴がある 解説書によるとこうである
「・・慶長十二年、徳川家康が豊臣秀頼に建立を勧めたもので、大坂の住吉大社の神宮寺にあったが、明治初年の神仏分離令で同時が廃寺になった際に、切幡寺が購入したもの。明治六年に解体移築されたが、最初は初重部のみの塔だった。のちに住職が10年がかりで二重部を造った。・・・」(講談社・四国遍路パーフェクトガイド)

 ではこれがなぜ多宝塔ではないのか?それは一層と二層部の間が通常の円形ではなく、方形で造られているからである しかも基底部(一層)が異常に大きく張っている バランス的には良くないが、それでも何となく魅力がある それは二百㍍に近い山上に悠然と建つ姿からなのか、秀頼まで遡る歴史がそうさせるのか分からない

秋真っ盛り、三大秘境の祖谷峡2010年11月14日 09時53分46秒

奥祖谷の二重かずら橋
 四国、徳島県の祖谷峡に行った 諸説あるが、「日本三大秘境」と言われている 三大とは岐阜の白川郷、宮崎の椎葉そして此処である 他にも似たような場所があるが、概ね「平家落人伝説」がベースになっている 

 政権を追われ、生き延びるためには追っ手のかからない僻地に逃れるしかない時代には、山奥にしか住む場所はなかったのであろう そういう意味では、権力を失った仕事を投げ出した自民党の複数の元総理たちや民主党の前総理は幸せである 源氏の「残党探し」のような「必殺仕掛け人」が追ってこないのだから・・

 こういう場所は現在でも魅力がある 何故か?奥地のために「開発」が遅れ、むかしのままの姿が残っているからである 戦後の日本人は「古い物を壊しコンクリートと鉄で作り直す」ことが一種の「美徳」とされた そういう価値観では「古い物は無価値に近い」 現在でもドイツでは古い木材を残して家屋が再建されることを義務づけている地区も多い

 しかし「古い物を壊す」という方向が正しくないことは歴史が証明する あの国連ユネスコの「世界文化遺産登録」では「むかしの姿が残っていない、歴史的背景のない史跡」は正当な遺産とは認められていない アメリカのユネスコ文化遺産認定ではむしろ先住民関係が中心で、むしろ自然遺産が多い

 閑話休題、この地でも「開発」「観光開発」のペースは速い 私が数十年前に来た時とは様子がおおいに変わっていて、また人の数も半端ではなく中国人のグループも居た それでもまだ此処は都会の人間には魅力がある 中高年には何故か懐かしい景色が残っている ただ多くの人が訪れる「かずら橋」よりも、一時間以上奥にある剣山近くの奥祖谷の「二重かずら橋」の方がより惹きつけられることも付記しておく

 マイHPサイト・「このたびのたび」
 日本三大秘境・徳島県祖谷峡:
http://konotabi.com/photoalbum2/2010JPNIya/top.htm
 参考マイサイト・ 飛騨・白川郷:
http://konotabi.com/photoalbum/2008JPNShirakawago/WHGassho.htm

やはりステキ!秋の京都人気No1の永観堂2010年11月24日 01時45分24秒

永観堂の紅葉
 秋の京都に行ってきた 毎年京都の写真は撮りに行くが、この地はまことに奥が深い 一つの都市でここまで見所(写真でいうと撮り所)の多い町は他にない 東京も真っ青であろう

 その理由の第一は何といっても「歴史の長さ」である あの桓武天皇が遷都した七百九十四年以来、武士に政権を取られた千百九十二年以後も「朝廷」は全ての面で指導力、影響力を持ってきた

 その朝廷、天皇が保護してきたのが京都の各社寺であった 天皇、上皇の勅願で建てられた寺、皇族が「住職」になって運営されてきた寺、戦国大名の保護によって菩提寺になった寺などそのバックグラウンドは広大である 

 その他に、首都を「江戸」に取られた後も、政治経済以外では常にリードする立場であった 曰く、寺院の数と指導力、茶道、華道、和菓子、漬け物、和服、世界遺産指定の寺社数、アカデミー賞受賞者の出身大学などなど・・

 そういう講釈はさておいて、無条件に魅力的なのが「寺社の秋」である 人によっては「京の寺は桜より紅葉が最高」と仰る ではどこが良いのか? 一言では難しいが、雑誌の特集でベストに入ったり、よく言われるのは「永観堂の紅葉」である 確かに今回見ても素敵である 盛りにはまだ少しだけ早すぎたのではあるが、満足して帰ることになった浄土宗の寺である

内部リンク:永観堂の秋
http://konotabino-tabi.sakura.ne.jp/photoalbum2/2010JPNKyotoEikando/newpage1.htm