銀杏の下は美しいが独特の香り!2010年12月02日 11時13分00秒

四国へんろ道の落葉した銀杏
 写真は四国歩き遍路の山道にあった庵脇のショットである 銀杏の落葉は「秋のひとこま」とも言える美しさである 町中の重なっている落ち葉のマスとしての景色、落葉している最中のシーン、苔や池に浮かんでいるその葉の姿、どれをとっても心に残るし、秋の風情を感じる 

 しかし欠点もある 先週、京都の今宮神社前通りの銀杏並木も歩いたが、歩いていた若者数人がいみじくもこう言っていた 「わあ、めっちゃ臭いやん!たまらんわ!」 私も同感である あの茶碗蒸しでも活躍している銀杏の実が、現場ではなんと***そっくりの「かおり」をまき散らしているのだ それでも神社には何故か銀杏の落葉がぴったり合ってしまうのが不思議である

瀬戸大橋からみた秋の瀬戸内海2010年12月04日 21時54分03秒

瀬戸大橋からみた瀬戸の海
 写真は四国遍路に行く途中、瀬戸大橋上のJR電車からみた景色である ただ「秋の・・」といっても此処は温暖の地で美しい紅葉はあまり見られない なんとなく紫外線が強そうなことが、たった一つ秋の終わりを知らせるしるしである

 私はこの瀬戸内海の?百倍も広い地中海を見下ろす北アフリカのアルジェに住んだことがある 空も海もこれより紺碧で美しかったが、ほとんど島影は見られず、まさに「大洋」の雰囲気であった それからいうと瀬戸内海は「箱庭的日本」に相応しい素敵な多島美の海である

わたしたち、ウシでぇ~す2010年12月04日 22時46分08秒

遍路道脇の牛たち
 前回に続き、四国遍路の途中の写真である 第十一番藤井寺に向かって歩いている時に「休憩中」のウシ君たちに会った 「胡散臭いやつだ」と言わんばかりにじっとこちらを見ていた

 四国遍路をする人は昨今けっこう多いが、ほとんどはバス・ツアーや車で一気に寺を回るものである 能率は良いが、それはまるで「ツアーで世界の観光地を巡る」様なものである つまり他の「お遍路さん」とも話をしないし、土地の方たちとも交わらないし、途中の景色も町の様子も見ていないのである ただこれも体の弱い人、老齢の方や忙しい方たちには仕方がないことであるが・・

 海外の巡礼も日本の遍路も、知らない土地を知り、土地の人たちと話をし、他人の暖かいもてなしを受け、同じ行をしている人たちと情報交換をし連帯感を持つ-そういう意味では人生で多いに意味があることである だから「ウシ君との出会い」もある面では意味があるのだ 一期一会である

アルハンブラの想い出(1)2010年12月26日 09時51分16秒

アルハンブラ宮殿の秋
 世界遺産「アルハンブラ宮殿」は海外に関心のある人ならほとんどが知っている美しい建物である ツアーなどで行った方も多いだろう そこはまるで「スペインの中にアラブがある」雰囲気である

 歴史にも登場するが、スペイン南部グラナダにあるこの建物はある意味象徴的である 長い間「イスラム帝国」に占領されてきたスペインは、「レコンキスタ運動」によってこの領土を取り戻した イスラム側の最後の拠点がこのグラナダで、1492年にはキリスト教徒(カトリック)が取り戻した

 いつの時代も歴史が大きく変革すると、前の時代の人や物は完全に否定される 時にはそれが行き過ぎることはよくあることである 「ロシア革命」後のロシアがそうであり、「フランス革命」後のフランスがそうである その場合は多くの物や建物が打ち壊され、関係者は虐殺される

 スペインでも「アラブ的イスラム的」なものは取り壊され、キリスト教的な物が再構成されていった ところが結果的にはスペイン国内には「イスラム的な建物」が多く存在する 宮殿や聖堂を見ればそれがよく分かる モスクを改造して十字架をつけ直した物も多い

 その代表がアルハンブラ宮殿である すでにNHKやTBSの世界遺産でご覧の方はその魅力はご存じであろう 当然後世の手が入っているが、基本はイスラム建築である ここからは想像だが、あまりの素晴らしさに完全には改変ができなかったのではないだろうか そこには思想や宗教を越えた美しさがある 美しい物は理屈抜きに美しいのである

内部リンク:アルハンブラ
http://konotabino-tabi.sakura.ne.jp/photoalbum/2007_Sp_Po_Granada/Alhambra.htm

ダマスカスの変な店2010年12月29日 10時02分50秒

シリア・ダマスカスの面白い店
 この秋にシリアに行った時の写真である これはツアーだったのだが、ダマスカス市街を歩いていると面白い店があった 一見ただの民芸土産物店だが、よく見ると歩道と二階にある店の間に通路はない では客はいったん下に降りて上がるのかというと、それらしき階段もない 「ン?これはなんだ?」

 何と店と歩道(客側)を繋ぐ物はただひとつ 間にロープが張られていて、その間に大きめの籠がついている ここからは想像だが、客は欲しいものを指示し値段交渉をする それから金を入れると、折り返し品物が返ってくるのだ

 こういう条件の場所なら日本ではどうだろうか? まず道路と店の間に橋か階段をつけるだろう 日本人は買いたい物を手にとって見たいものだ それが遠目に見ただけで買う物を決めるとは、何と大らかであろうか?

 こう考えている間にも店主とその妻は大らかに通り過ぎる観光客に声をかけていたが、「客」は写真を撮るだけで全然売り上げはなかった

世界遺産ペトラ最大のエド・ディル2010年12月29日 13時59分59秒

ヨルダン・ペトラ遺跡のエド・ディル
 ヨルダンの世界遺産といえば何といっても「ペトラ」であろう 映画「インディ・ジョーンズ」に出てきた場所と言えば、世界遺産に関心がない者も知っているだろう

 岩山が続く山中に想像を超える遺跡群が連なる 「ペトラ」とはギリシャ語で岩の意だそうだ BC1世紀にナバテア人が貿易で活躍し、このペトラも有力都市となっていった のちBC63ごろローマの支配下に入るが、ローマは税を課し自治を認めた 後、ローマ絶盛期のトラヤヌス帝によって完全に支配下に入った

 1812年にヨーロッパに紹介された後、現在も発掘作業中でその概要は完全には解明されていない「幻の都市」である それでも映画に登場し世界遺産に登録され、新・世界七不思議にも指定された魅力的な遺跡である

 さて写真であるが、あの有名な「宝物殿」ではなく延々と上った「エド・ディル」という当遺跡最大の石窟(建築物)である ほぼ遺跡内の頂上に近いところにこれと広場がある この石窟内にもやはり何もない それでもここまで上った満足感で満たされる 世界のいずれの遺跡も見る人の思い入れと気持ちで価値が決まってくる

内部リンク:「世界遺産ペトラ」
http://konotabi.com/photoalbum2/2010MEAPetra/Jordan.htm