「オール電化住宅」推進社会の脆弱さ2011年03月23日 19時18分50秒

 本日の読売オンライン(ネット)に以下の記事が出ていた

<オール電化住宅、普及裏目…原発2基分の消費増
東京電力が、給湯や調理などすべてを電気でまかなう「オール電化住宅」の普及を推進してきたことが、今回の電力不足に拍車をかけている。この3年間で戸数が倍増し、最大で原子力発電プラント2基分にあたる約200万キロ・ワット分の電力消費能力が増えた可能性がある。東電は、東日本巨大地震後、計画停電をせざるをえない状態で、オール電化の普及策は抜本的な見直しを迫られている。・・・以下略>

 国策に沿って「無公害・エコ・省資源・・」推進のため<オール電化>を押し進めた東電であるが、その増大する電力消費をバックアップしたのが<原発>であった これは原発依存度の低い他の電力会社も同様である

 いかに原発事故の原因が大地震であったとしても、またその後の相次ぐ津波のよって追い打ちをかけられたとしても、すべての非常時対策・補助電源・各種安全策等が一瞬にして「無用の長物」になってしまう状態はかなり危ない 原発が実はここまで「綱渡り」で運用されていた-と言う事実が今となって露呈したのだから

 そういう意味では、「未来の日本は原発を基盤とした電力による<オール電化>社会」の幻想はまさに崩壊したと言えよう かといって今すぐ代替エネルギーがすぐに浮上するわけではない 「自然エネルギーの活用」も合い言葉ほどうまくはいっていないが、やはりロングスパンでは開発しなければならない

 今はやはり電気という単独のライフラインに依存するのではなく、炭化水素系の都市ガス、プロパンガスにもやはり引き続き頼らざるを得ない 「計画停電」では「オール電化の家」はやはりダメージが大きかったのだ 今後電力料金は必然的に上昇してゆくだろうが、私たちも「痛み分け」もしなければならないだろう

 しかしいずれにしても今回の事故が世界各国に与えたインパクトは大変大きい 「チェルノブイリ」の放射能拡散の結果ドイツでは「核の恐怖」が喧伝されて、今ではすべての原発が停止している 石油危機であってもすぐにドイツで原発が再開されることはないだろう

 他のアメリカやフランス、イギリスでも核に対する様々な意見が出てきている 「世界でただ一つ核の被害を受けた国」と言ってきた日本が、再びその核(放射能)の恐ろしさを世界に伝えざるを得ない現状はどう考えてもつらいものがある 今こそ国民的な問題として真剣に考えるしかない

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