高知・中土佐町の民宿「源ちゃん」の夕食2012年05月01日 19時53分00秒

「民宿源ちゃん」の美味い活け造り
 数日前に「四国歩き遍路」から帰ってきた 私たちの遍路は「細切れ区切り歩き打ち遍路」である 妻は足が遅いうえ体力があまりない 結果的に回数が増えてゆくのである

 それはともかく、これまで泊まった宿の数も元気な「通し遍路」の方よりも多くなっている ここまでも心に残る宿がいくつかあった その一つが高知県中土佐町の「民宿源ちゃん」である 

 元々は古い木造の民家を改造して作った「漁業体験宿」が始まりである 当宿の女将の兄が本職の漁師の傍ら、長い時間をかけて改造した古民家を別荘兼宿泊所として使ったことから始まる

 女将は元は和裁のプロであったが、昨年引退して方向転換した ご主人とともに「遍路の宿」もすることにしたのだ 大変仲のよい兄も近所に住んでいる その兄の助力で本気で宿経営を始めた

 兄は漁師なので客が来るとなると、おカズの魚を釣り上げてくる そして客の前で捌いて刺身や活け造りを作り上げる 跳ねていた魚を10分後に食べるのだから、美味くないわけがない 私たちの場合はヒラメの活け作りであった 身はこりこりして臭みもなく口に甘みが残る

 写真の料理はほんの一部分でまだまだ後に出てきた 確かに板長がつくる旅館の料理ほど洗練はしていない 強いて言うなら「漁師の手料理」である しかし家庭料理の手作りの暖かさも加えて食べがいがあり、女将の話とともに印象に残った 

 「近々、宿オリジナルのブログも娘の協力で作りたい」と仰られていた女将、翌朝も道案内も兼ねて数キロも見送ってくださった 出かける際「これはお接待です」とお握り・お菓子・お茶をそっと出してくださった 彼女の心遣いが嬉しかった

フランス人お遍路・エレーヌさん2012年05月02日 07時04分20秒

フランス人お遍路・エレーヌさん
 「ココニオニギリハナイデスカー?」 白いお遍路装束の女性が尋ねた 場所は高知県の「ヘンロ小屋佐賀第13号」があるレストハウスのカウンターである 幾分奇妙なイントネーションに思わず顔を見たら白人女性であった その瞬間私は「フランス人かな?」と思った

 今回の遍路でも外国人にあった どうも最近は外国人のお遍路が増えている感じである 前回は歩いている最中に早足の白人男性が追い抜く際に、「コレドウゾ」と私たちに飴を渡してさっさと行ってしまった

 その女性が私たちがいた敷地内の「ヘンロ小屋」に戻ってきた 疲れたような不満なような顔をしている 「どうしましたか?」と尋ねると、「ココニハスナックガアリマセン レストランシカアリマセン」 どうやらお昼を抜く雰囲気だ

 そこで私たちは持っていたスナック・バーを一袋渡した 彼女は一瞬嬉しそうな顔をして話し出した フランス人だという 彼女の日本語はアクセントはあるものの難しい単語も使えている 以前12年間日本にいたという 今はEUの仕事をしていると言った

 私が「長い休みが取れたのですか?」と訊くと、「三週間取れました それで日本に来ました」 フランス人が「ヴァカンス」といって夏に長い休みを取る習慣があるのは日本でもよく知られている だがそれは一般的な話で、年中通して長い休みが取れるということらしい

 彼女はこうも言った もっと若い時代は働き抜いた その結果、体を壊して入院もした ひと歳いった今では少し楽なポストを選んで働いている・・と 自分の生き方を通しているらしい

 それは彼女の巡礼の旅でわかる 西洋キリスト教世界で有名なスペインの「サンチアゴ・デ・コンポステーラ巡礼」を始めた フランス各都市から歩いてスペインの町を目指すのだ だが彼女は「まだ途中までしか行っていない」と言った

 そういう中で日本の大災害を知った 以前から日本の巡礼も知っていたので、この際「心を込めて日本のひとのために」巡礼をしようと思ったという そういう話には私はヨワイ ここまで思ってくれる外国人がいるのである

 休憩所の話が長くなったが彼女の話はまだつづく 彼女はインテリらしく言いたいことがたくさんあるようだ 日本語の表現が難しくなると英語やらフランス語が出てくる フランス語は母語だが他に英語、オランダ語、スペイン語、日本語他ができるらしい

 また大学で経済学を学んだ後、哲学や宗教学も勉強したらしい 時々仏教の難解な用語やお経の言葉が出てくる 普通の日本人以上に詳しいのは驚きだ 日本語はパリの外国語大学で習ったという 今回の訪問もただの「気まぐれ」で日本に来た人とは違う 思い入れがある

 しばらくは三人で一緒に歩いたが、驚いたことになんと彼女は足が速い 写真を撮りながらどんどん歩く 立派な藤花を見た後、「お先にどうぞ」と行って貰った 妻の足では追いつけないから・・ エレーヌさん、日本を愛してくれて有り難う! どうぞご無事な旅を! Au Revoir !

大韓航空、関空発ソウル便のランチ2012年05月08日 01時21分05秒

大韓航空のアッサリ系スシ昼食
 私は航空会社のマイレージカードをたくさん持っているが、特に使っているのは「スターアライアンス」グループの全日空カードと「スカイチーム」グループの大韓航空カードである

 今回のロシアツアーは「大韓航空利用」だったこともあってすぐに申し込んだ 以前は大韓航空は貯めたマイレージは「永久有効」だったので有り難かった 他の航空会社のマイレージはふつう「3年間で消滅」する

 しかし最近大韓航空は「マイレージは10年間まで有効」とダウングレードされた それでも2008年6月30日までに貯められたマイレージには有効期限はない-としている この有利な条件は利用者には有り難い

 さて写真の昼食だが短距離便だけにフツーである それでも「スシ大好き人間」の私には十分である スッキリ系のハイトビアーも付くしそのお代わりも出来る 写真右上のみそ汁もインスタントだが日本人にはウレシイ

 しかし大韓航空のウリはこれではない 国際便では国際的な賞をとった「ビビンバ定食」が必ず出てくる たいしてゴージャスな食事ではないが、運動しない機内ではこれで十分である

 CAさんのサーヴィスもアメリカ・カナダ・ヨーロッパ系航空会社のシラケル事務的なモノとは違う やはり航空会社はアジア系が素敵である

何故できない日本の空港?!2012年05月09日 19時18分55秒

インチョン空港の「李朝王族」パレード
 私は日本のエアラインを応援しているが、ネットで探す場合値段が安い大韓航空もよく使う 日本のANAもJALもCAさんのサーヴィスも悪くはないし機内食も悪くはないのだが、やはり安い方が良い

 大韓航空を始めとする韓国系は安いうえ、日本の地方空港に細かく入り込み、集客してハブ空港の仁川(インチョン)空港に送り込む そして乗り換えてアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各地に行けるように計っている

 その際の戦略?がすごい 一、二時間では乗り換えさせずにもう少し長く空港に居させるのだ そうすれば客は空港内で買い物をしたり、レストランに入らざるを得ない 必然的にお金を使ってしまう 商品の種類も多い

 すごいのはその先だ どの店でも円で払うと円で細かいおつりが出てくる ユーロでも米ドルでもコインでその貨幣でおつりを呉れるのだ だから客は躊躇なく買い物が出来る また日本語はほとんどの店で通じる

 皆さんもご存じのように、空港での乗り換え時間というものは長く感じるものだ そういう中で「韓国文化理解のための無料の体験コース」が作られている 「工芸品のまねごとづくり」ができる これの人気は高い

 更に写真のように「李王朝時代の王族パレード」が空港内を練り歩く これは外国人には人気だ 写真を撮りまくる者や「王族」と一緒に写真を撮る者などが多く歓声もあちこちで上がる

 わたしも成田や関空を利用することもあるが、こういったイヴェントは見たことがない 国交省や空港運営会社は何をしているのか?! いちじ「アジアのハブ空港」にしようにという声もあったが、悔しいが韓国の戦略には全く歯が立っていない

 流石に最近改装された「羽田」は町屋などいろいろ工夫をしているようだが、いかんせん国内線が主力の空港で外国人の目には触れにくい 残念なことである 国家にコンセプトや戦略のない国には先がないような気がする インチョン空港を訪れるたびに思うことである がんばれ日本!

心温まる遍路宿「風車」 高知県三原村2012年05月29日 06時15分01秒

宿「風車」の食事
 私たちの四国歩き遍路は「区切り打ち」の八回目でやっと高知県最西部に辿り着いた 今回は足摺岬から再スタートし、雨の中を歩いてやっと三原村についた

 ここでの宿は一日一組限定の「農家体験民宿」である だが別に食堂があってそこが遍路道に面し、オーナーご夫婦はそこにおられた 宿手前で電話すると、雨の中で迎えてくださった こういう遍路宿はまずない 
 
 「寒かったでしょう? お茶でもどうぞ、それとも濁酒でも飲みますか?」と親切な言葉 もちろんドブロクの方にした 空きっ腹にアルコールが染みた 体が温まった なんでも「村おこし」で始めた「ドブロク造り」だそうだ

 その後数百m離れた農家を改造した宿に送ってもらった 宿は一軒家だが入って驚いた 囲炉裏が真ん中に鎮座する トイレも最新式のウォシュレット、風呂も新しい 雨に濡れた体を風呂で温めた そしてまた車で送ってもらい食堂まで戻った

 食事は刺身や天ぷらの大皿が並ぶ さらに地元で獲れた猪肉の煮物、あっさりして生臭くない その後でまた驚いた 「量が多いなあ」と思っていると、ご夫婦も向かいに座った なんと「客と一緒に食事を摂る宿」なんだそうである 「一人遍路も多いので話し相手をする」ことにしているという

 ご夫婦は親切で話題も豊かで話も進む 私のグラスが空くと奥さんがどんどんドブロクを注いでくださる お陰で飲み過ぎてしまった 話に花が咲いて、気がついたら夜の10時になっていた 「おもてなし」の心が伝わる食事であった 遍路旅で初めての経験であった

 (宿情報)
 遍路・農家体験宿:「風車」 高知県幡多郡三原村 Tel0880-46-3666
 関連リンク:http://www.kochi-shokokai.jp/mihara/mihara_doburoku/farmer_kazaguruma.php