アウシュヴィッツとパレスティナ・ガザ2024年02月22日 15時41分04秒

「アウシュヴィッツ収容所」を訪れたユダヤ人の学生グループ
 最近パレスティナ・ガザ地区に関する報道がかしましい ほぼ毎日のようにガザ地区の無辜の民、市民が殺される画像や事柄が報道される それを見ても心が痛くなる 女性、幼児、老人の痛ましい姿は「これをするのが同じ人間か!?」と思う

 世界からあれだけの非難、抗議を受けてもユダヤ人の国家イスラエルは侵略、殺戮をやめない どこまですれば攻撃は止むのだろうか?

 かなり前のことだが、私はリュックを背に汽車を乗り継いでポーランドの「アウシュヴィッツ強制収容所」を訪れたことがあった 内部の施設や展示、ガス室、絞首台などつぶさに見て回った それはそれまで見た、聞いた、読んだ事柄以上にショッキングであった

 狂気のナチスの仕業とはいえ、こんなことができる人間は罪深い 今では博物館になっているこの収容所を出たときは頭がボーとしていた いちばん殺されたのはユダヤ人であったが、他にもジプシー、社会主義者、パルチザン、スラブ人などなど数限りなかった

 自分たちの気に入らない人間は皆殺し・・・というのは戦後80年が過ぎた現代でもかぎりない 海外ニュースを見てもそんなことばかりである
 
 とくにナチスの迫害の最大の被害者であったユダヤ人が自分たちがされたことをそのままやっている それが「彼らの正義」なのであろうか?

 「汝の敵を愛せ」とまでは言わなくても、「隣人とは仲良く」できないユダヤ人がある意味憐れである 殺せば殺すほど平和は遠のき、永遠に恨みは増し続いてゆく 神も仏もない世が悲しい

 よかったら・・・
 (内部関係リンク)「アウシュヴィッツ収容所」
http://konotabi.com/auschwitz/toppage.htm

水爆実験のあのビキニ環礁が世界遺産になった2010年08月02日 21時56分18秒

 かつて「東西冷戦時代」、米国が水爆実験をしてマーシャル諸島の住民が多大の被害を受けた「ビキニ環礁」が「ユネスコ世界遺産」に指定された もちろん「負の遺産」である 昨日ブラジルで開かれた世界遺産委員会が決定した

 ユネスコ「負の遺産」といえば、あの「アウシュヴィッツ強制収容所」や「広島原爆ドーム」などがある 「ビキニ」も「原爆ドーム」も米国の行為である 「アウシュヴィッツ」は「ドイツ第三帝国=ナチ(ス)」の仕業である 「ビキニ」では日本の遠洋航海漁船「第五福竜丸」が被爆し、当時マスコミで大騒ぎになった

 だからといって米国や独ナチスだけが悪いのではない 日本もかつて大陸・半島で「大量虐殺」を行った いわゆる「南京事件」や「満州731部隊」、朝鮮半島での「三・一独立運動」に対する日本軍による大弾圧他多くが歴史記録に残っている

 外国関係では(オスマン)トルコによるクルド人他少数民族弾圧、フランスによる植民地ヴェトナム、アルジェリアへの大弾圧、イギリスによる印度独立運動への弾圧(アムリツァル虐殺事件他)、第二次大戦中「ソ連軍」によるポーランド捕虜に対する殺人「カティン(カチン)の森事件」などがあった

 現代にもそういう歴史事実が存在する ヴェトナム戦争時の米軍作戦時、農薬枯れ葉剤による住民への「ヴェトちゃん・ドクちゃん」などへの身体的後遺症、旧ユーゴスラビア・セルビアの周辺民族への殺人「民族浄化」などなど枚挙に暇がない

 そういう悲しい事実を持つ「現代史」であるが、現在もまた悲惨な事実が進行中である イスラエルによる弾圧の「パレスチナ問題」、中国によるチベットなど少数民族弾圧、米軍によるアフガニスタン、イラクでの民間人殺人とつらい記事がならぶ

 だからこそ、今回のユネスコ指定は大きな意味がある もちろん「核兵器廃絶運動」のシンボルであるが、上記のような「戦争・殺人は人類は認めてはいけない」「平和こそ大切」という信号を発しているのである 
筆者はやはり上記列記のことについても「ユネスコ負の遺産」指定を考えるべきだと考える 悲惨な事実を覆い隠すのではなく、永久に記録し次の世代につなげてゆくべき事柄だからである

ますます広がるヨーロッパ圏(EU)2008年03月31日 16時21分10秒

 「国境審査を完全撤廃」 今朝の日経のニュースである(以下部分抜粋)
「人とモノの自由な移動を認める欧州のシェンゲン協定加盟24国は(3月)30日、相互の国境審査を完全撤廃した ポーランドなど中・東欧九カ国が昨年12月に陸路での国境審査を廃したのに続き、今回、空路の審査もなくした 東西欧州を隔てた「鉄のカーテン」は消滅し、自由な往来拡大による経済効果が見込まれる・・(以下略)」

 私たち日本人が欧州入国時の検査は依然残るものの、欧州間の移動はさらに自由になる これは統一通貨ユーロの発行(発効)につづく大改革である 通貨の両替時に発生する為替差損の消滅だけでなく、移動時間の短縮も進むということである

 ドイツ、フランスなどEU域内の「強国」と旧東欧圏、オランダ・ベルギーなどの小国間の問題や域内農業国・工業国間の経済格差の問題は残ってはいるが、人類の理念「世界は一つ」という目標にまた一歩近づいた

 世界は周知のように、「東西冷戦」終結後、民族問題で大きく揺れて民族間の殺戮が拡大している そういう中でEUは逆行的にテリトリーを広げている かつてあのナポレオンが「フランス革命の後継者」を自称し、武力でもって世界を広げようとして失敗した しかし現代の「ヨーロッパの拡大」は平和的に納得ずくで進んでいる

 そういう意味では、あの「マルクス・レーニン主義」による「共産主義」以上に、「人為的で理想主義的」な行為である それが発端は仮に「米・日の経済圏に対抗する」という超現実的な発想があったとしてもである 

 アメリカがすでに指導的・経済的・政治的な優越性を失った現在、こういったヨーロッパの試みは非常に注目される事柄である 日本もこういった世界に発信する政治理念が欲しいものである

ドイツ・メルケル首相の「勇気ある発言」2008年03月25日 17時03分32秒

 世界のニューズウォッチャーの方にはすでに旧聞に属するかもしれないが、去る3月18日にドイツ首相として初めてイスラエルの国会で演説し、かつてナチが行った「ユダヤ人大虐殺」についての謝罪をした

 その要旨を少し長いが毎日新聞のHPから紹介する(以下引用)

【エルサレム前田英司】メルケル独首相は18日、イスラエル国会(クネセト)で演説し、ナチス時代のユダヤ人大虐殺(ホロコースト)について改めて謝罪した。また、イランの核開発問題やパレスチナ武装勢力のロケット弾攻撃にさらされるイスラエルの安全保障に強い理解を示し、ドイツがイスラエルに対する支援を続ける姿勢を強調した。

 メルケル首相は16日から18日までイスラエルを訪問。両政府の主要閣僚が一堂に会して初の政府間協議を開き、関係強化を確認したほか、外相会談や国防相会談なども並行して行い、中東和平やイラン核開発などについて協議した。パレスチナ自治区は訪問しなかった。

 メルケル首相は演説で、「ドイツ人はホロコーストを心から恥じている」と率直に語り、「犠牲になった方々、生き延びた人を助けてくれた方々すべてに頭を下げる」と謝罪した。
(ここまで引用:毎日新聞 2008年3月19日 東京夕刊)

 私はさらにその時の映像も見ていた これまでにもドイツ要人では、男性の二人の大統領が同様に謝罪した しかし一部の国会議員がドイツ語の演説に反発し退場している 今回は女性の首相としては初めてである 日本のマスコミ報道では「抗議の退席」は見えなかった

 メルケルはCDUのリーダーであるが、2005年の総選挙では当時の与党シュレーダーSPDに僅差で勝利した しかし単独では政権は成立しないため「緑の党」と連立協議したが不成立、結局はこのCDUとSPDの二党が「呉越同舟」大連立して政局は落ち着いた そのためメルケル内閣は<「仇敵」が内閣内に半数いる>という不思議な内閣になった

 ふつうなら「連立内閣」のリーダーの指導性は強くない 強いリーダーシップは取れない それでも彼女はむかしの「鉄の女」英・サッチャーに近い 米・露の指導者と会見し、今話題のチベット亡命政府のダライラマと昨秋ロンドンで公式会見し、「チベットの自治要求」に一定の理解・指示を示した 当然のことながら、このあと中国政府はこれには不快感を示したが・・

 さて話は戻る メルケルは演説中「パレスチナ武装勢力のロケット弾攻撃にさらされるイスラエルの安全保障に強い理解を示し、ドイツがイスラエルに対する支援を続ける姿勢」を強調した これは演説した場所<ユダヤの地>に対する配慮もあっただろう

 しかし「パレスティナ難民地区には行かなかった」・・とういうから、どう見ても「イスラエル側の味方」であるというのに等しい この結果、EUの中心国ドイツの「お墨付き」をもらったイスラエル軍の今後の行動が心配になってくる さらにパレスティナ側の先鋭急進派のテロも激化するかもしれない ドイツ側に引け目があるにしても、ある意味「罪作り」ではある

 それにしても、こういう「勇気ある発言」は時として、一国のリーダーのあり方に示唆を与えてくれる なぜか今の日本の某首相は「訪日予定の中国首相」に配慮してか、「ギョーザ事件」のきちっとした「詰めと解決」もできなかった 様々な国内事件、案件処理にも評論家のような「第三者的発言」を繰り返すだけで、理念も指導力も決断力も無い(ように見える) また党内政府内でも統率力が無く、無責任な週刊誌によると、現職大臣でさえもう「次の首相?」と仲良くしているという 
 
 こういう「外国にアピールも出来ない、国内でも指導力不在」の総理大臣を持たざるを得ない日本は不幸である 首相には理念がないのか、発言できない環境なのか、生来気が弱いのかよく分からない 政局はただ空転しているだけである 野党第一党の不可解な行動とも合わせて見ると、日本はとても「先進国・民主主義国」とは言えない感じがする

リンク:アウシュヴィッツ強制収容所
http://www.asahi-net.or.jp/~VR3K-KKH/auschwitz/toppage.htm

温故知新:儒学者・山田方谷に学ぶ2007年03月19日 14時58分53秒

 先日、写真を撮りに岡山県高梁市を訪ねた メインは国重文の備中松山城、現存する天守閣を持つ全国12城の一つで、最高海抜430mの「日本三山城」の一つでもある この城への登り道の途中に「山田方谷・私塾跡」という石碑があった

備中高梁あれこれ・方谷私塾跡写真:
http://www.asahi-net.or.jp/~VR3K-KKH/photoalbum/BichuTakahashi/miscellaneous.htm

松山城写真:http://www.asahi-net.or.jp/~VR3K-KKH/photoalbum/BiMatsuyamaJo/Gagyuzan.htm

 江戸後期1805年ここの城下で生まれた方谷は、朱子学を学んだ後、21歳で藩主板倉氏より奨学金をもらう英才であった のちに彼は藩の郡奉行や元締や執政などの要職を歴任する ところが儒学者だった彼が偉大なのは、その政治手法と内容である 

 藩主から信頼の厚かった方谷は、借金だらけだった藩財政を立て直す そのときの手法が詳しく下のサイトに載っている
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E7%94%B0%E6%96%B9%E8%B0%B7

 お読みになれば分かるが、すばらしい政治姿勢・手法である 自分の身の回りもきれいにして毅然と財政改革に取り組んだのである 昨今のある国の首相やある大臣の????が付く発言や「せこい手法」は真っ赤になる内容である 現代の日本には「平成の方谷」は居ないのだろうか?

航空事故は国際情勢が反映する2006年09月02日 18時26分29秒

airplane
「イラン国内便が空港着陸時に火災、乗客29人死亡」(ヨミウリオンライン見出し)9月1日(昨日)イランの国内便がマシャドで着陸に失敗し炎上、29人が死亡したという(別のソースでは70人以上死亡) ここまでなら、よくある?航空事故のニュースだ 

 しかしニュースをよく読むと、どうも裏があるらしい イランは最近「原子力開発」でアメリカやヨーロッパ諸国から非難や経済制裁を受けていて、欧米製の新型旅客機が買えず、多くの機体が老朽化しているという このため古い機を引っ張り出し運用したものらしい こういう耐用年数を過ぎた機体が「当たり前」に飛んでいる この事故も着陸時に前輪のタイアがパンク・炎上し、機体が滑走路をはずれ炎上したのだった 機体は旧ソ連製ツポレフTu154で私も乗ったことがあるが、相当古い機である 部品の供給もままならないのだろう

 また先日(8/22)にはロシアでサンクトペテルブルグ行きプルコボ航空機が巡航中に墜落炎上、170名全員が死亡した 原因は記録によると雷雨と落雷がありそれが原因とされるが、他に機内火災やテロ説さえ囁かれているが、一番信憑性があるのは、「乱気流、雷を避けずに近くを通過したのが原因」らしい ところがふつうは「安全基準」というのがあって、こういう場合は遠くにコースを変えるらしい ところが最近のはげしい「石油高騰」で世界中の航空会社が「青息吐息」で、上層部から「燃料節約」の厳しい通達が来ていたらしい そこで機は「あえて危険地域をさけなかった」という推測である

 そうなると、この二つの事故はもはや「自然災害」ではなく、「政治の犠牲」であり「人災」である そしていつも犠牲になるのは、「罪もない一般乗客」である 政治家は国のメンツや意地で、経営者は経済性のことで結果的に不幸を民衆にもたらしている いつになったら、変わるのだろうか?