「北京旅行で注意すること」を読んで2008年08月05日 10時41分32秒

写真はトルコ・イスタンブール・ドネルケバブのサンドイッチ屋台
 昨日(2008/8/4)の日経新聞にこういう記事があった 四日後に始まる「北京オリンピック」に合わせた記事である これは中国以外の「発展途上国」の旅行時にもそのまま当てはまるので、大いに参考になる

(以下引用)

>渡航前の準備
 旅行前検診を受ける
 英文診断書かアラートカードを用意
 使い慣れた一般薬を買う
 アルコール入りジェルやティッシュを持参
 海外旅行傷害保険に加入
 破傷風の予防接種を考慮する
>旅行中の重病・大けが
 病院は最高ランクの「3級甲等」を選ぶ
 病院所属の救急車を呼ぶ
 病院では外国人対象の診療部を探す
 乱診乱療対策のため領収書をチェックする
>下痢・感染症対策
 生もの、生水を口にしない
 カットフルーツ、氷、歯磨きの水にも注意
 石けんや流水での手洗いを頻繁に
 水がない場所ではアルコールで手指消毒
 医療機関は外資系クリニックへ
 犬や猫、鳥を売る市場には行かない

(以上日本経済新聞・2008/8/4より転載)

 一般的(特に先進国以外の旅行)には、下の三分の一の部分(下痢感染症の項)が大切である そういう国では、日本国内では考えられないことも多い 水がどこでも飲める日本に対して、「水道でさえ滅菌消毒が出来てない国」や「水の硬度が高すぎる国」、「水道水に濁りがある国」などなど多くの問題があるのが現実だ

 だからといって、途上国ではミネラル・ウォーターでさえも安心できない 使用済みボトルに水道水を入れていたアルジェリアのレストランのケースや川水や溜水で洗った皿やコップを出すエジプトのナイル川クルーズ船など、まさに危険がいっぱいである エジプトの場合は仮にミネラルウォーターが優良品であっても飲用不可となる これらの場合、「アミーバ赤痢」や「肝炎」などの感染症の問題がでてくるのだ

 また筆者のように、狂犬病蔓延地域で狂犬病の恐怖にさらされた者(タイ)もいる 狂犬病は現在に日本では「ない(絶滅した)」とされている 特に「一人旅」の人は誰にも注意喚起されないので、自己責任で注意深く旅行するしかない また野生動物や放置された動物も危ない 海外でアライグマやコウモリで狂犬病に感染した例がある 野生動物は可愛くても触らない方が良い

 危ないのは「屋台の買い食い」である 現地人は「免疫」があるので何ともない場合でも、「清潔な日本人」には危ない場合がある それに肝炎はすぐに発症しない 後になってガンになったり、家族に伝染する この場合、エイズ同様自分だけでなく愛する家族をも不幸にしてしまう また最近のアジアでは、「鳥インフルエンザ」や「O157」などの危険も知られてきた 衛生観念の低い国では危険がいっぱいである

 さらにアフガン、イラク、スーダンなど紛争地ではなく、今まで「スリ、置き引き」などを除けば比較的「安全」とされてきたトルコ、印度、インドネシア、タイなどでも「イスラム過激派」による爆弾テロ事件が目立つ 大体は駅や市場、盛り場、ホテルなど(例外的にアメリカ大使館付近)がターゲットになる そういう場所には、出来るだけ近づかないことが望ましい ツアーの場合は情報収集が比較的出来ているが、今度はそのツアーバスが衝突・転落したりする事例も間々ある

 近年刺殺事件や通り魔など危険が増した日本だが、それでもまだマシな方だ とにかく、「海外は日本とは違う」という意識を持って旅行するしかない-ということである

マイHP内部関連リンク:海外のちょっと怖い話
http://konotabi.com/terriblestory/terriblest1top.htm

(この記事はマイHP中同名タイトルのページより転載しました)

オリンピック開会式は「偉大な政治ショー」2008年08月09日 10時34分35秒

 昨日の北京オリンピックの開会式を見た ここ数年、中国に関わる多くのニュースを知っていたので、何となく「斜めに」見ていた それでもこの国最高の監督演出の壮大さ、豪華さ、マスゲームの統一性などには正直、感心感動した

 しかし見てゆく内に「四千年のすばらしい歴史」「世界の三大発明は中国製」「これからの中国は世界をリード」というメッセージがこれでもか、これでもかという様に押し寄せてくる わたしは見ていてだんだん嫌になってきた これは「ベルリンオリンピック」の「改訂現代版」ではないのか?

 オリンピックの開会式が、スポーツらしいシンプルな物から変化したのは「東京オリンピック」からではないか?そして「見せ物」に代わったのが「民営化」されたロスアンゼルス・オリンピックだった そこには工夫・演出が凝らされ驚きもあった それ以後流れはそういう方向でやってきた 

 だから今回もそういう流れにはあった しかし先述のように、見ていると次第に「宣伝臭」が感じられて仕方がなかった これは私だけなのであろうか しかも一般観衆の熱狂性も尋常でない感じだ ワールドカップ・サッカーの決勝でゴールが決まった時の感じだ 最近の中国は「ナショナリズム」が高揚し、町の人も「中国は偉大」と「中国加油!」とテンションが高い これもこの後どちらに向かうのか?

 話は戻るが、日本TV局の映像によると、会場脇のミサイル群、圧倒的な軍隊と警察、ものすごい検問と高圧的警官の態度が散見される 明らかに今までのオリンピックとは異なる 「力ずく」で押さえつけ、国威発揚をしようとしているしか見えない

 周知のように、55とか言われる民族のうち、中華民族以外の多くの少数は不満を持っている 特にチベットとウィグルには不満が山積しているという これらでは中華民族が流入して圧倒的に経済を掌握している 「先住民族」との貧富の差がますます広がっている

 私は少年時代から「シルク・ロード」が大好きで、もう何年も前にウルムチ・敦煌・西安の巡るツアーに参加した あこがれの歴史の地でおおいに興奮したが、興ざめしたこともあった それはウィグルのある町で露天土産物店の若い中国人男性が言った言葉である 「あいつら(ウィグル人)はバカだから・・」 それは「勉強が出来ない」ことなのか、「商売が下手」なことなのかよくは分からなかったが、見下していたのは事実であった

 台湾に行ったときもこういうことがあった 日本の植民地時代に山岳先住民(高山族)が蜂起し日本軍と戦った町、「霧社」を訪問した時のことである 山中の小さな町だが、多くの店はあった しかしほとんど「中華民族」の経営らしかった ちかくの住宅前にいた主婦に訊いてみた 「<高山族>の店はないのですか?」 「ああ、ないよ あの人たちはあんまり商売が上手くできないから・・」 彼女も「中華民族」だったのだ

 こういう「圧倒的多数の中華民族」が少数民族の仕事や富を「奪い」「見下した姿勢」で「故郷」を押さえている そして貧富の差がますます広がってゆく そういうことを目前で見せつけられるのは、耐えられないだろう

 中国国内でも他に山ほどの問題を抱えている 「何が何でも」と無理矢理始めたオリンピックだが、会期中にテロがなくても、実はこのあとが大変であろう 少数民族問題の他に「公害(環境破壊)・人権問題・食の安全・貧富差・役人の腐敗・・・」はいったいどうなってゆくのだろうか?