「ここは日本じゃぁねぇ」ニセコスキーエリア② ― 2013年02月21日 18時03分40秒

ニセコスキー場のエリア外に向かう外国人たち
 写真は北海道のニセコスキー場のグランヒラフ・コース最上部、「キング第4リフト」を下りた場所である 当然ここより上には正式なコースはない しかもここにはロープが張ってあり、大きな告知板(お知らせ板)に日・英語で表示されている

 もっとも大きな文字は「ロープをくぐってはならない」とあり、英語でいっぱい書かれている その横には「救助費用」とあり、またも英語で細かく説明されている 要するに「ここから先はスキー場外である スキー・パトロールは巡回しない したがって自分の責任(at your own risk)で行動すること スキー場外であっても入る時間を守り、雪崩などの危険が大きいのでロープ外には絶対出ないこと もし遭難したら多額の救助費用は自分で払うことになる・・・」というようなことである

 たいていの場合はこのボーダー(境界)にはパトロールがいて注意しているが、写真のようにまず耳を貸さずにどんどん歩いて上がってゆく そのほとんどは外国人である なかでも白人が圧倒的に多い その先は二つに分かれアンヌプリ頂上(1309m)と小屋のある稜線上の小頂上の向かう そこからはまさに360°の展望で日本海から太平洋までを望め、雄大なニセコ富士(羊蹄山)も近くに望める

 そういう場所だから彼らの上がりたい気持ちは分かる 問題はその先である そのまま崖や谷側のロープをくぐって気楽にコース外(禁止区域)をどんどん滑って下りてゆく まさに「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のである よく死亡事故が起きないものである

 ヒラフコースの「エースダイ2クワッドセンター4」リフトに乗ったらスキーパトロールの方と一緒になった
 「最近のニセコの状況はどうですか? 外国人が多いようですが・・・」
 「大変外国人が多いです 特にオーストラリア人がね また白人でもカナダ人や北欧の人も目立ってきました・・」

 「でもオーストラリアは反対の季節で分かるのですが、他は同じ北半球で季節が同じでしょう? なぜ?」
 「どうも年によってはそれらの国の雪が少ないらしいのです」
 私も前の週はカナダのバンフで滑っていたが、例年になく雪が少なかった
 彼 「ニセコのパウダー・スノーはよく知られているらしいですね」 スキーの本場よりも雪質がよいというのはスゴイ

 彼 「同じ白人でもオーストラリア人とノルウェー人は服装で分かります ノルウェー人は背が高く、蛍光色の山登りの恰好でリュックを担いで高い場所に上がってゆきますから・・」 なるほどなるほど

 私 「救助用担架(スノーボート)の乗るようなケースは何人が多いですか?」
 彼 「もちろん白人です コース外の危険な所ばかり滑りますし、急斜面を飛んだり撥ねたりしますから・・ 最近増えているアジア系も多いです 雪に慣れていないからすぐケガをする しかも軽いケガでもすぐレスキュー要請が来ます 手がかかります・・ 反面、日本人は辛抱強いです 結構なケガでも(担架は要りません)と断ることが多いです」 彼は笑った

 昼を食べに大きな「ヒュッテ・キングベル」や山小屋風「望羊荘」、1000m山小屋のヒュッテに行った どこも白人ばかりで少数の日本人はやや肩身が狭い 面白い光景があった 彼らは洋風メニューをやや無視して、牛丼、カレー、親子丼、うどんなどを注文する者が多い しかも箸を上手に持って上手に食べている しかも美味そうだ これは食べ慣れている いちばん面白かったのはカレーライスを箸だけで食べていることだ 彼らにとってはカレーは「洋食ではなく和食」なのだ 

 勇気のあるカップルがメニューの写真だけを見て初めての「ぜんざい」をたのんでいた しかし湯気の立つお椀を見ながら食べようとはしない 食べ方が分からないのだ 彼女が恐る恐る舐めてみた 「おいしいわ」 甘いから当然おいしい 彼も舐めてみて「イイ!」といった こういう彼らの探求心も最近の傾向である 「日本食はおいしい 大好き!」と多くは言う 「ヘルシー」とも言った 彼らの来日目的はスキー・ボードだけではなかったのだ

 アンヌプリ・コースのゴンドラにボードを持った白人が乗っていた たまたま日本人と話していると、その白人が少し日本語をしゃべった
 「オーストラリア人ですか?」
 「ロシア人です」 「日本人の友人に会いに来た だから少し日本語が分かる 出身はカムチャッカ半島・・」 
 「カムチャッカにはスキー場はありませんか?」
 「ヘリスキーだけです」
 「シベリアにはスキー場は無いのですか・・?」
 「良くなくてたいへんリフトが少ないです」
 「カムチャッカからはどのように来ましたか?」

 その答えに私は驚いた
 「カムチャツカから飛行機で日本海岸のウラジォストックへ、これは3000km以上あります ここから東京にまた飛行機、それからまた飛行機でサッポロに来ました それから車で・・・」 
 
 地図を見れば分かるが、カムチャツカから直線で北海道までは彼の行程の半分以下である いくら友人がいる・・とはいえ、何という「気力」と行動力であろうか! しかしゴンドラ内の短い話はここで終わった 後で乗った別のアンヌプリ・ゴンドラにもロシア人の夫婦がいた キャビン内に大声のロシア語が響く

 かくの如く最近のロシア人は行動力がスゴイ ヨーロッパのスキー場にも大勢のロシア人の団体客がいた イタリアの老舗スキー場にロシア語が飛び交っていた こうしてみると、世界各国の経済の動向がスキー客数に反映していることが分かる

 帰りの千歳空港国際線の電光掲示板を見ると、この空港がかなり大きな「国際空港」だと分かる 北京、上海、ソウル、プサン、台北、香港、グアム、サハリンのユジノサハリンスクなど・・ 最近になってハワイ航空のホノルル線とタイ航空のバンコク線が新設された タイ人は日本が好きだという これからは経済発展中の東南アジア諸国の人たちのスキー客、買い物客、観光客も大幅に増えるであろう まことに時代は変わりつつある

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