インチョン空港と東アジアのハブ空港2006年10月01日 15時38分54秒

ソウル・インチョン空港
 今回のヨーロッパ行きは大韓航空を利用した 当然乗り継ぎである 乗り継ぎで大韓航空を利用する人は、よほど時間が逼迫していない限り、インチョン空港で時間を「つぶす」ことになる 私たちの場合、なんと「一晩ここで時間をつぶした!*」 この空港は以前の古い金浦(キンポ)空港とは違って、「大きい、広い、店が多い、きれい」などというメリットがある。      

 他に韓国政府の方針であろうが、「東アジアのハブ(中核)空港」の地位をねらっている 「当面の敵」は新しいホンコン国際空港であろうか 前の啓徳(カイタック)空港は町のすぐそばだったが、摩天楼をかすめるように急旋回しながら海面すれすれに着陸するのは、やや緊張したものだ これは有名な話であった

 さて、「東アジアのハブ(中核)空港」候補になぜ日本の関空や成田が出ないのか?答えは「狭い、不便、町から遠い」などの欠点の他、コンセプトが古すぎるのだ 新ホンコン空港は、イギリスの格付け会社による「世界でいちばん満足の空港」ランキングで、2001から2005までの5年間首位になった。因みに今年2006の一位はシンガポールのチャンギ空港にとられて、二位になった しかし公式HPは「アジアのスーパーハブ(空港)をねらう」と大語している

 だからソウル空港は現在の所、ホンコン空港に負けている では航空会社同士ではどうか ホンコンのキャセイ航空は、英国スカイトラックス社のランキングでは、2005-2006の二年連続最高賞を受賞した サーヴィスがすばらしいうえ、重大事故は1972年以来一度も起きていない 機のエンジンはすべて、あの「ロールス・ロイス社製」である

 では大韓航空はどうか?機内誌「モーニング・カーム」が世界機内娯楽協会の最優秀誌部門二位、機内食は2006機内食協会ランキングで「ビビンククス」が最優秀の金賞受賞で、1998年の「ビビンバ」に次ぐ二度目の受賞である 機内ワインも旅行専門誌のコンペティションで2002以来3年連続第一位を獲得した それでも、全体的にはキャセイが「ややリード」といえる


 話は戻って仁川(インチョン)空港はどうか?開港の年にいきなりIATA(国際民間輸送協会)から、サーヴィス分野世界四位を受け、ISOから空港運営者が世界の空港で初めてISO9001と14001を取得した 2001年に開港してから日が浅いが、前向きの姿勢として評価される 

 インチョンはまた"Airport Service Exellence Awards for 2005"「世界のベスト空港賞」をACIとIATAから受けている この時の二位はホンコンとシンガポール空港で、クアラルンプール空港が三位だった また同時に「もっとも改善された空港」部門も一位であったし、「2500万人以上に利用された空港」部門のサーヴィスでも一位になっている こうなると、ホンコンとソウルはトータルでは「イーヴン」になりそうだ

 このようにだらだら書くと、何が何やら分からないが、要は日本の空港がこういう所に名前がでてこないことだ わずかに名古屋が「500-1500万人が利用された空港」部門にやっと一位ででてくるだけである 「アジアのハブ空港を目指す」といってもなかなか難しい

 韓国は大韓、アシアナの両航空で合わせると、中国・日本各地などの路線が圧倒的に多く、「集客力」がJAL,ANAとまったく違う アジア各地から集めた客をインチョンに集め、デューティー・フリーで物を買わせ、アメリカやヨーロッパ、アジア各地に送り込む-というやり方はウマイ そのデューティー・フリーでも、日本円で買うと日本円、米ドルでもユーロでもちゃんとその通貨で釣りをくれる トランジット(乗り継ぎ)客には、「出国」しなくても泊まれるホテルも空港内にある

 そういう意味では、日本の空港ではいろいろ制限がありすぎる 飛行機の着陸料が高すぎるのも、他と比べて不利である これはすでに何度も論議されている またこのたびの旅では、オランダのスキポール空港も利用したが、空港用地の広さだけではない利用者の便利さやただの「飛行機の駅」ではないプラスアルファが散見されて、「空港利用の喜び」が増した 

 一言で言えば、「一日中でもそこで生活できる」ことだ 大きな都市の大ショッピングモールのように、必要なものは何でもある どうでも良いことだが、スキポールのスーパーには日本食品が小さな店くらい置いてあった ペットが入れる店もあった 車いすなど「障害者」も分け隔てなく利用できるコンセプトも素敵である 上は高級レストランからハンバーガーショップもあったし、それぞれのスペースの取り方にゆとりがある 

 名古屋のセントレア空港は、さすがに新しいコンセプトで作られていて大変好評らしいが、私はまだ行っていないので、講評は避けたい それでも公式HPを見ると、「なかなかやっている」らしいのである 早く日本の空港が「グローバルなレヴェル」になって欲しいと思うこの頃である

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