「国際的」ニセコスキー場の最近事情2007年01月24日 17時07分46秒

ニセコスキー場
北海道最大規模、いや日本有数といってよいニセコスキー場は主に4つのスキー場からなる複合体である 筆者が齢四十でスキーを始めた「スキーブーム」のころは、3つしかエリアが無く、しかも、その3つのリフト券はそれぞれ別で「相互乗り入れ」はできなかった さらに中心的なヒラフ地区では小さな谷を境にリフト券が違っていた つまり規模は大きいが、スキーヤーからいうと使いにくいスキー場ではあった それでも自然が雄大で、雪質も比較的良いので通っていた

最近は事情が全く異なってきた それについては過年すでにHPの方に書いた
「ニセコスキー場・昨今」
http://www.asahi-net.or.jp/~VR3K-KKH/niceshortstory/story13/nisekoskiarea.htm

毎年一回は訪れるスキー場ではあるが、やはり少しずつ様子が変わってきた 先述のリフト券でいうと、「全山共通リフト券」ができて相互乗り入れができるようになったことはもちろん、上の記事で書いたように外国人が極端に増えたことである そのなかでいちばん増えたのはオーストラリア人、次に韓国人、中国人(香港人)、台湾人であり、たまにアメリカ人がいたりする

その理由はいくつか考えられる 
1オーストラリア資本がスキー場の一つである「花園エリア」を買い、彼ら用のホテル・ロッジなども充実したこと
2オーストラリア経済が好調で、彼らの年収が増えた上、対円レートが極端に良くなったこと(安く日本に旅行できる)
3オーストラリアの季節は日本と逆で、彼らには「夏にスキーができる」こと
4オーストラリア側のスキー・ツアーが多くでき、宣伝が行き渡ったこと 最近は家族連れや幼児帯同の若夫婦が増えた
5ニセコの雪質の良さが口コミで喧伝されたこと
6日本側について言えば、スキー場のロッジやレストランなどで英語表記の対応が十分できるようになったこと(一部韓国語・中国語表記もできた)
7同様に日本側のアコモデーション(宿)の一部にホームページ内に英語で海外から申し込めるページができたこと(一人旅の若者はこれを利用している)
8他のアジアの国では工業生産が向上し、経済的に海外旅行できる層が増加したこと
9それぞれの国からの札幌・新千歳空港への直行便が増え、アクセスが向上したこと

さて今年は一段と外国人、とくに白人が増えていた 昼過ぎのスキー場ロッジはまるで海外のスキー場である 数少ない日本人も肩身が狭そうにボソボソと食事をしている こうなると「数は力」である 大きな声の英語が飛び交う ほんとに国際的なスキー場になった

ここまでは良いのだが、いくつかの問題も見えてくるようになった 彼らは家族又は団体でやってくるので、「彼らだけの世界」があって日本人を含む他の人たちとは会話もしない つまり「ツアーで外国を旅する日本人たち」と全く変わらないのである 外国を旅することはその自然だけでなくその人々と話をする(交流する)ことも大切なことなのだ それと同時に英語しか使おうとしない バスの運転手にも窓口の女性にも英語だけで会話しようとする 

「アメリカ人は世界でいちばん外国語収得が苦手な国民だ」と以前から言われる それは世界中で英語が通用するからである オーストラリア人にもその傾向が見える もちろん日本語は独特な言葉だから、なかなか難しいだろう それでも英語だけ使って、相手の日本人に目を白黒させるのも何か変である また自分たちのやり方を周りの無関係な日本人に「強要」するのも奇異だ

それはともかく、リフトで一緒になったオーストラリアのボーダーの若者との話である 彼は「シドニーから来た」と言った 驚いたことに、かれはシドニーから直接来たのではなかった 「大阪へ来て、それから京都の寺を見た」と言った 印象は?と聞くと、「雰囲気がすばらしい 歴史を感じる・・」という わたしは白人の若いボーダーがまず京都の寺を訪れてから北海道に来たことに驚いた ただ滑るだけでなく、他の目的ももって日本に来ている

わたしがその日のスキーから宿に帰っているとき、一人の白人ボーダーが荷物をいっぱい持って道路上で立ち往生していた 「ユースホステルを探している」という 看板を見るとわたしが行く方向である 「大丈夫 一緒に行くよ」と一緒に歩き出した 彼はアメリカ人でカリフォルニアから来たという 「アメリカにはたくさんすばらしいスキー場があるのに・・、カリフォルニアだったら、レイク・タホがあるだろう?」というと、「ここはまた別の魅力があるから・・」という それに日本にも興味があるらしい 金のない若者はけっこうYHを利用する 

このように日本のスキー場に来る外国人(とくに若者)はスキー・ボード以外の目的ももっているのが傾向となっている 帰宅後テレビを見ていると、秋葉原を取材したコーナーがあった オーストラリア人やカナダ人、アメリカ人も多かった 彼らは「北海道で滑ってから東京に来た」と言った なんでも、その国では高価で入手困難なゲームソフトを買いに来たらしい 「秋葉原は安い」と言いながら、一人で同じソフトを十本も買っていた やはり旅行パターンの「多様化」が進んでいたのだ

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